【動画で解説】面会交流の具体的な方法(2)
面会交流の具体的な方法・内容は、それ自体が違法行為でない限り、法的な決まりはなく、ご両親が、お子さんの希望を取り入れながら、自由に取り決めることができます。
(こちらのチェックシートは、ご両親で協議される際に、ご利用いただけたらと思います。)面会交流の条件の取り決め方
ア 面会前・後
離れて暮らす親子が直接会う場合、いつ、どこで、どのようにして会うか、お子さんの動きを思い描きながら具体的に決めておくとよいでしょう。
たとえば、お子さんがまだ小さい場合、遠方に暮らす親と会うためには、誰かが送り迎えをする必要があります。
もっとも、離婚した父母同士が顔を合わせたくない場合もあるかと思います。そのようなときは、親族その他第三者に、子の送迎や受け渡し、さらには面会時の付添いを依頼したりすることも考えられます。
なお、面会の頻度としては、月に1回程度が多いでしょう。
イ 面会時
公園や、遊具のある室内施設で遊んだり、ショッピングセンターのような大型商業施設で食事や買い物を楽しんだりと、時間の過ごし方は様々あるかと思います。
ただし、同居親としては、「子どもにはアレルギーがある」「過剰なプレゼントは控えてほしい」など、子どもの生活習慣等をふまえた希望をお持ちのケースもあり得ます。面会方法を取り決める際は、父母同士でお子さんの情報を共有した上で、このような希望をすり合わせておくことが重要です。
その他の交流について
たとえば、別居親から郵送で手紙や写真、プレゼントを贈ったり、逆に、同居親からお子さんの写真を郵送したりすることが考えられます。
さらに、IT技術が目まぐるしく発達している今日では、メールやアプリ等を通じて、簡単に写真を送りあったり、テレビ通話をしたりすることができるようになりました。
これらの交流手段は、離れて暮らす親と子がなかなか会えない距離である場合や、お子さんがまだ乳幼児で、遊んだり外食したりすることがままならない場合に、特に有効です。また、⑴の面会と併せて利用する場合もあり得ます。
その他、父母間の葛藤が少ないケースでは、お子さんの入学式・卒業式・運動会などの行事や、部活動や習い事等の様子を見学したり、実際にお子さんと一緒に参加したりすることも考えられます。
悩みや迷いは、各機関へ。
⑴ 面会交流の方法・内容について、考える段階 ⇒教育・心理・福祉等の相談機関へ
上記のとおり、面会交流の具体的な方法・内容は、法的な決まりがなく、自由に取り決めることのできるものです。
もっとも、教育・心理・福祉の様々な観点から、面会交流の条件として推奨され、あるいは逆に制限されるべきことはあり得ます。
どのような方法で面会交流を行うべきか、悩まれているときは、これらの分野の専門家や各機関に相談されるとよいでしょう。
福岡市のホームページでは、各相談機関やセミナー等が紹介されています。
もちろん、弁護士に相談するのもよいでしょう。
⑵ 面会交流の方法・内容を、相手方と交渉する段階 ⇒弁護士へ
また、面会交流は、離婚や別居に伴う両親間の葛藤が反映されやすい場面でもあり、取り決め自体が難航することもあります。
このような場合は、より弁護士に相談されるとよいかと思います。また弁護士に代理人になってもらえば、弁護士があなたの意見や希望を聞き、それを相手方へ伝える役目を果たしますので、直接交渉をする必要がないからです。
また、面会交流以外の、離婚に際して必要な事項(養育費、財産分与等)とあわせ、総合的・一回的に取り決めることができる場合があります。
⑶ 取り決めた面会交流を実施する段階 ⇒各面会交流支援団体へ
さらに、様々な葛藤からご両親が自分たちの力で面会交流を実施できないケースも、多くあります。そのような場合に、お子さんの受け渡しや付添いを支援してもらえる機関があります(公益社団法人家庭問題情報センター(通称FPIC・エフピック)(福岡市にも、福岡ファミリー相談室があります。))。
利用には一定の決まりがありますので、事前に相談されることをお勧めします。
*以上、各機関をご紹介しましたが、早めに弁護士にご相談いただけたら、弁護士の方から各関係機関と連携を図り、面会交流の取り決めから実施まで、サポートさせていただくこともできます。
著者プロフィール
おくだ総合法律事務所
兵庫県立神戸高等学校卒
九州大学法学部卒
九州大学法科大学院修了
福岡県弁護士会所属